洗濯に使用する洗剤類には普通の洗剤に加えて、おしゃれ着用や柔軟剤、漂白剤など様々なものがあります。
これらを上手に使い分けることで、生地の傷みを最小限に抑えながら汚れを綺麗に落とすことができます。
柔軟剤や漂白剤の役割はその名前からもイメージしやすいですが、普通の洗剤とおしゃれ着洗剤は何が違うのか知っていますか。
この記事では２つの洗剤の違いとおしゃれ着洗剤の代用として使えるアレについて紹介します。
「おしゃれ着」って何？
そもそもおしゃれ着とはどういう衣類のことを言うのでしょうか。
おしゃれ着にはっきりとした定義はありませんが、一般的にはウールやシルクなど洗濯機でジャバジャバ洗うと傷んでしまう素材でできた衣類のことを指します。
自分が持っている服がおしゃれ着かどうか分からないという方は洗濯表示をみてみましょう。
次のマークがある場合は、おしゃれ着洗剤を使って洗濯することをオススメします。
どちらのマークも手洗いを推奨するものですが、左は2016年11月まで使用されていた旧マーク、右は現在使用されている新マークです。
また以下の表示がある場合は、家庭での洗濯ができませんので気を付けましょう。
おしゃれ着洗剤と普通の洗剤の違い
液性の違い
洗剤の液性とは洗剤のpHのことです。
酸性・中性・アルカリ性など学生の頃に勉強しましたよね。
普通の洗剤は弱アルカリ性か中性、手洗い用洗剤は中性となっております。
その理由は、洋服の汚れは弱アルカリ性の方がよく落ちるから。
洋服についたたんぱく質や油などの汚れは、弱アルカリ液で処理すると、形を変えたり分解されたりして落ちやすくなります。
そのため、普通の洗濯用洗剤は弱アルカリ性になっていることが多いのです。
それでは、なぜ、おしゃれ着洗剤は中性なのでしょうか。
汚れが落ちるのであれば、弱アルカリ性の方がいいような気がしますよね。
それは弱アルカリ性がおしゃれ着の生地を傷める原因になってしまうからです。
おしゃれ着に使用されることが多いウールやシルクなどの動物性繊維はたんぱく質であるため、アルカリの影響を受けてしまうのです。
おしゃれ着洗剤は洗浄力よりも生地の傷みにくさを優先するために中性となっているのです。
成分の違い
普通の洗剤含まれている成分は以下のようなものがあります。
・界面活性剤：水と油の仲介をし、汚れを落とす。
・アルカリ剤：洗剤の液性をアルカリ性にし汚れを落としやすくする。
・蛍光増白剤：洋服を白く見せるための染料。
・酵素：汚れを分解する。
・安定化剤：洗剤の品質を保つ。
普通の洗剤の液性には弱アルカリ性だけではなく、中性のものもあります。
中性よりも弱アルカリ性の方が汚れが落ちますが、洗剤に含まれる成分の種類や配合の割合を変えることで洗浄力を上げ、中性でも汚れがしっかり落ちるようになっているのです。
一方、おしゃれ着用洗剤の主な成分はこちらです。
・界面活性剤：水と油の仲介をし、汚れを落とす。
・安定化剤：洗剤の品質を保つ。
普通の洗剤よりも含まれている成分が少ないですね。
界面活性剤はどちらにも含まれていますが、その量は普通の洗剤の方が多くなっています。
普通の洗剤に含まれている蛍光増白剤はシルクのように生成りや淡色の洋服に使用してしまうと、色あせや色むらの原因になってしまいます。
また、たんぱく質を分解する酵素は動物性繊維を傷めてしまいます。
洗浄力を高めようとすると、生地も傷みやすくなるというのが基本ですので、おしゃれ着洗剤は、洗濯に必要最低限の成分で作られているのです。
おしゃれ着洗剤が切れてる！普通の洗剤で洗っても大丈夫？
ここまで読んでいただいた方であれば、普通の洗剤がおしゃれ着洗剤の代用品として使えないことは分かるのではないでしょうか。
しかし、どうしてもすぐにおしゃれ着を洗わないといけないとき、代用品として使えるものが家庭にはあるんです。
それはお風呂場にあるシャンプーです。
シャンプーは人間の髪を洗うものなので、おしゃれ着に多い動物性繊維を洗うためにも使えるのです。
ただし、普通の洗剤に比べると泡立ちがいいので、洗濯機ではなく、手洗いで洗うことをオススメします。
シャンプーで洗濯する方法は簡単です。
桶などにぬるめのお湯とシャンプーを入れ５分ほどつけ置きします。
その後、軽く押し洗いをし、お湯を換えながら３回ほどすすいだら、軽く押して水を切りましょう。
柔軟剤代わりにリンスを使うこともできますよ。
まとめ
普通の洗剤はおしゃれ着洗剤よりも洗浄力が高い、おしゃれ着洗剤は普通の洗剤よりも傷みにくいということをご紹介しました。
大事な日に着たいおしゃれ着。
洗濯方法を間違えてしまうと着れなくなってしまうこともあります。
家で洗濯をする場合にはおしゃれ着洗剤を活用して、上手に洗濯しましょう。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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