サウナで火傷しないのはなぜ?答えは汗と空気にあった

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日本で主流の乾式サウナ。
室内の温度は80℃〜100℃程度に保たれています。
この温度を聞いて不思議に思う方もいるのではないでしょうか。
100℃のお湯をさわればすぐに火傷してしまうのに、どうしてサウナでは火傷しないのでしょう。
ポイントは「汗」と「空気」にあるんです。

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理由その1:「汗」が皮膚を守っているから

サウナに入ると大量の汗をかきますよね。
この汗は皮膚の表面に薄い膜をつくります。

ここで、「熱容量」の説明をします。
熱容量とは、物質の温度を1℃高めるのに必要なエネルギーのことです。
そして、単位質量の物質を1℃上昇させるために必要なエネルギーを比熱容量といい、比熱容量が大きい物質ほど、温まりにくく冷めにくいという性質を持ちます

汗(水)はこの比熱容量が大きいため、周囲の空気の温度が高くても、熱くなりにくいのです。
物質の比熱容量についてはWikipedia「比熱容量の比較」に表がありますので参考にしてください。

サウナでは熱くなりにくい汗に体の表面が覆われるため、皮膚の温度も高温になることがなく、やけどをしないという訳です。
皮膚が水のバリアに守られているということですね。

理由その2:温度の低い「空気」の層ができるから

次は空気の性質によるものです。
ここでは、理由その1での「熱容量」に加えて、「熱伝導率」の説明が必要になります。

熱伝導率とは、物質の熱の伝わりやすさを表す値です。
熱は温度の高いところから低いところへと移動していきます。
熱伝導率が大きいほど熱の伝わる速さは速く、熱伝導率が小さければ熱の伝わる速さは遅くなります

金属を触ると冷たく感じるのは、金属の熱伝導率が大きいからです。
金属に手で触れると、手の熱が金属の表面に伝わります。
しかし、その熱はすぐに金属全体へと移動していき、触れている部分に熱が留まりにくいため、冷たく感じるのです。

そして、「空気」は熱伝導率が非常に小さく、周りの空気へ熱を伝えにくい性質を持ちます
物質の熱伝導率についてもWikipedia「熱伝導率 3値の例」に表がありますので参考にしてください。
一方、先ほどお話しした「熱容量」は比較的小さいので、温まりやすく冷めやすいということになります。

さて、サウナに話を戻しましょう。
サウナ内の空気の温度は100℃近くですが、そこに人が入ると、人の回りの空気の温度はすぐに下がります(熱容量が小さいから)。
しかし、人の肌が触れていない温度の高い空気から、温度が下がった空気へと熱が伝わる速度は遅いです(熱伝導率が小さいから)。
そのため、人の回りに温度が低い空気の層ができている状態になり、やけどをしないのです。

理由その3:「空気」が乾燥していて「汗」が蒸発するから

乾式サウナの場合、湿度は20%以下のことが多く、大量にかいた汗はすぐに蒸発していきます。
そして、汗が蒸発するときには周囲からエネルギー(熱)を吸収します。
そのため、体の温度や体の周囲の温度も下がり、100℃近い室温の中でも、熱さを感じにくくなっているのです。

これは、プールから上がると真夏なのに寒く感じることを思い出せば、分かりやすいのではないでしょうか。

まとめ

以上、サウナに入ってもやけどをしない理由でした。
サウナの中で、人の身体は汗と空気の層に守られていたんですね。
水分補給をしっかりして、汗をたくさんかくことは、やけどをしないという点でも重要だったんですね。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

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